マイクロスコープ
(歯科用顕微鏡)
マイクロスコープの重要性
マイクロスコープを使った顕微鏡歯科治療では、肉眼で見えないものでも最大30倍程度に拡大して観察することができます。つまり、精密な診断・精密な治療が可能となるので、結果的に再治療を減らすことができ、患者様の口腔内を健康な状態で維持することにつながると言えます。
従来の治療では、歯科医師の経験と勘に頼る部分が多く、むし歯の取り残し・汚染物質の取り残し・歯石の取り残しなどがあり、それが再治療につながっていました。マイクロスコープを使うことで肉眼では見えないものが見えるようになり、例えば歯の表面に入った無数のクラック(ひび)を発見しやすくなるおかげで、歯の寿命を延ばすことにもつながります。マイクロスコープは、本当の意味で患者様を診るようにしてくれる医療機器です。
当院のマイクロスコープ治療
ただし、患者様に大きなメリットをもたらしてくれるマイクロスコープも正しく使いこなせなければ意味がありません。約7万件ある日本の歯科医院における普及率は10%程度ですが、正しく使いこなせている歯科医師は、わずか5%に満たないと言われています。もちろん、当院ではマイクロスコープを正しく使いこなすための研鑽を日々積んでいるのでご安心ください。
当院はマイクロスコープを使った精密治療の際、下記の機器を用いています。
- CarlZaiss社 OPMI pico MORAインターフェース
- フォルダブル鏡筒
- LED照明
- バリオスコープ
- アウトラインレティクル
- PENTRON社 ブライトビジョンLED5000
2台のハイスペックなマイクロスコープを勤務医・歯科衛生士がしっかりと使いこなし、精密で精度が高く長持ちする治療を実現しています。また、映像記録&プレゼンテーションシステム「ADMENIC DVP2」による動画とアニメーションを用いた分かりやすいご説明と、治療後の考察が可能です。
ラバーダムの防湿
当院では徹底してラバーダム防湿を行っていますが、それには明確な理由があります。ラバーダム防湿法は、1864年にニューヨーク州の開業医であるBarnumによって考案された歴史ある防湿手段です。未だにこれを超える防湿法はなく、不変的な手技であると言われています。
ラバーダム防湿を行う目的
ラバーダム防湿には、下記の4つの目的があります。
- 唾液や呼気による汚染の防止=無菌的処置
- 術野の明視化・乾燥(クリーンでドライな術野の設定)
- 軟組織の保護
- 薬液・小器具の誤嚥防止
根管治療では、無菌的処置を徹底することが大原則です。ラバーダム法防湿をせずに治療を行うことは絶対にNGだと考えますが、残念ながら日本の歯科医院では約5.4%しか使われていないのが実情です。理由としては、「保険請求できないためコストがかかる」「手間がかかる、面倒くさい」「患者様が痛がる」などが挙げられるでしょう。
当院の大切にしている考え
当院では勤務医も含め根管治療時に100%ラバーダム防湿を使用しています。ダイレクトボンディング・覆髄処置・支台築造・シーラント処置にも、もちろん使用しています。
日々、進歩を遂げる歯科の治療技術ですが、治療時間を短縮したり手技を簡略化することだけが進歩ではありません。また、根管治療ではマイクロスコープ・歯科用CT・ニッケルチタンファイルが大切な役割を果たすマテリアル(器材)ですが、そのマテリアルに関連した文献や講習会ばかりがクローズアップされがちです。
当院でもこれらの器材を使用して治療を行いますが、患者様にとって良好な予後とは、原則に忠実な治療を行うことだと考えます。基本をおろそかにした新しい治療法ばかりに頼ることは、本末転倒だと考えています。